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初心者さん必見!着物の種類と「格」をポイント解説

「着物」とひと口に言っても実はさまざまな種類があり、どの場面で何を着るかが決まっています。

TPOに応じた装いをするには、それぞれの特徴や違いを知っておくことが大切。

この記事では、着物の種類と「格」について解説します。

順番に読んでいけば、初心者の方でもシーンに応じた着物を選べるようになりますよ。ぜひ参考にしてくださいね。

着物の種類

まずは基本となる着物をご紹介します。

代表的なものは次の12種類。

  1. 打掛(うちかけ)
  2. 黒紋付(くろもんつき)
  3. 振袖(ふりそで)
  4. 黒留袖(くろとめそで)
  5. 色留袖(いろとめそで)
  6. 訪問着(ほうもんぎ)
  7. 付け下げ(つけさげ)
  8. 色無地(いろむじ)
  9. 小紋(こもん)
  10. 紬(つむぎ)
  11. 御召(おめし)
  12. 浴衣(ゆかた)

ひとつずつ説明していきます。

結婚式のお呼ばれ、卒業・入学式、食事会、お稽古など「どの場面で何を着るか?」についてはこちら
TPOに合った着物〜卒業式・七五三・初詣・お茶会では何を着ればいい?

打掛(うちかけ)

打掛は、結婚式で花嫁が着る特別な着物です。

  • 白無垢:真っ白なデザインで、純潔を象徴する花嫁衣裳の最高峰。結婚式でのみ着用されます。
  • 色打掛:華やかな色や模様が特徴で、披露宴でも着られます。

白無垢

色打掛

どちらも厳かなシーンにふさわしく、結婚式という特別な日の主役を引き立てます。

黒留袖(くろとめそで)

黒留袖は、既婚女性が着る最高格の礼装です。

  • 特徴:黒い生地に5つの家紋が入り、裾に絵羽模様(えばもよう)が施されています。
  • :格式高い袋帯や丸帯を合わせます。
  • 着用シーン:新郎新婦の母親や仲人が結婚式で着用します。

格式高い場面での正装として、品格を感じさせる装いです。

振袖(ふりそで)

未婚女性の第一礼装で、袖丈が長いのが特徴です。華やかで女性らしい装いとして、多くの人に愛されています。

  • 種類
    • 大振袖:袖丈114cm前後。結婚式や披露宴で使用。
    • 中振袖:袖丈100cm前後。成人式の定番です。
    • 小振袖:袖丈85cm前後。お茶会やパーティで活躍します。
  • :自由な結び方を楽しめる袋帯が定番です。

黒紋付(くろもんつき)

黒紋付は、喪服として不祝儀の場で用いられる着物です。

  • 特徴:黒一色の生地に、背中・両後ろ袖・両胸に計5つの家紋が入っています。
  • :黒喪帯を合わせることで格式を保ちます。

シンプルでありながら厳粛な雰囲気を持ち、弔事の場でのマナーを体現します。

色留袖(いろとめそで)

黒以外の色を使用した留袖で、既婚・未婚を問わず着用できます。

  • 特徴:上半身は無地で、裾に広がる絵柄が特徴です。
  • 紋の数
    • 五つ紋:第一礼装として結婚式や式典に。
    • 三つ紋、一つ紋:準礼装として祝賀会やパーティに。

柔らかな色合いが、フォーマルな場面で女性らしさを引き立てます。

訪問着(ほうもんぎ)

訪問着は、振袖や留袖に次ぐ格の高さを持つ着物です。

  • 特徴:着物全体に柄が襟や袖をまたいで続いています。
  • :袋帯を合わせるのが一般的です。
  • 着用シーン:結婚式や卒業式といったフォーマルな場面から、観劇やお食事会まで幅広く活躍します。

格式と華やかさを兼ね備え、シーンを選ばず着られる便利な一着です。

付け下げ(つけさげ)

付け下げは、訪問着に似ていますが、柄の入り方が異なります。

  • 特徴:左肩にワンポイントの柄があるシンプルなデザイン。
  • :袋帯で格を上げたり、名古屋帯でカジュアルに着こなすことも可能です。
  • 着用シーン:卒業式や七五三、お食事会など。

シンプルな美しさが魅力で、初心者にも取り入れやすい着物です。

色無地(いろむじ)

色無地は、一色に染め上げられたシンプルな着物です。

  • 特徴:地紋(生地に織り込まれた模様)の有無で格が異なります。
  • 紋の有無:紋を付ければフォーマルな場面にも対応可能。
  • 着用シーン:卒業式や入学式、七五三、観劇や同窓会など幅広い場面で活躍します。

シンプルだからこそ、小物や帯で個性を出しやすい着物です。

小紋(こもん)

小紋は普段着として着られるカジュアルな着物です。

  • 特徴:生地全体に同じパターンの柄が入っています。
  • 種類
    • 江戸小紋:細かい柄で遠目には無地に見える。
    • 加賀小紋:華やかな柄が特徴。
    • 京小紋:自然をテーマにした柄が多い。
  • :名古屋帯や半幅帯を合わせて気軽に楽しめます。

日常の中で和装を楽しみたい方におすすめです。

紬 (つむぎ)

紬は、先染めの織物で作られた丈夫な着物です。

  • 特徴:素朴な風合いで、普段着やおしゃれ着として着用されます。
  • 種類:結城紬や久米島紬など、地域ごとに特徴的な紬があります。
  • :名古屋帯や洒落袋帯を合わせるのが一般的です。

おしゃれな普段着として、着物初心者にも取り入れやすい種類です。

御召 (おめし)

御召は、格式のある高級な織りの着物です。

  • 特徴:生地表面にシボ(細かな凹凸)があり、さらりとした風合が特徴です。
  • 種類
    • 無地御召:地紋やシボを活かしたシンプルなデザイン。
    • 縞御召:細かい縞模様が特徴。
    • 柄御召:繊細な小紋柄や抽象的なデザインが施されたもの。
    • 絣御召:絣模様が織り込まれたもの。
  • 紋の有無:無地御召に紋を入れれば、結婚式や祝賀会などの公式な場面にふさわしい装いに。
  • 着用シーン:結婚式や祝賀会をはじめ、パーティ、お茶会、観劇、普段着など幅広い場面で活用できます。

シンプルなデザインでありながら上品な雰囲気を持ち、フォーマルからカジュアルまで幅広く対応できる汎用性があります。

浴衣(ゆかた)

浴衣は、夏に着る軽やかな着物です。

  • 特徴:薄手の生地で、通気性が良いのが魅力。
  • :半幅帯を締め、下駄を履くのが一般的。
  • 着用シーン:夏祭りや花火大会、カジュアルなイベントにぴったりです。

最も手軽に楽しめる着物として、初心者の入門にもおすすめです。

着物の格について

着物の格は、大きくわけると以下の4つがあります。

第一礼装
(正礼装)
「フォーマル」
結婚式、お葬式などの特別な日や公的な儀式に
打掛、黒留袖、本振袖、中振袖、黒紋付
略式礼装
(準礼装)
「セミフォーマル」
結婚式のお呼ばれや入学・卒業式などに
色留袖、訪問着、付け下げ、小振袖、色無地
外出着「よそ行き」
お稽古や観劇・食事会などに
色無地、小紋、無地の紬、御召
普段着
(街着)
「普段着」
ちょっとした外出や日常生活に
紬、御召、浴衣

「どの場面で何を着るか?」については以下でくわしく解説しています。
TPOに合った着物〜卒業式・七五三・初詣・お茶会では何を着ればいい?

まとめ

着物の種類と格、特徴をまとめると以下のとおり。

種類特徴
打掛第一礼装結婚式で花嫁が着る特別な着物。白無垢・色打掛がある。
黒留袖第一礼装既婚女性が着る最も格式高い着物。五つ紋が入り、裾には華やかな模様が描かれている。
振袖第一礼装
振袖
未婚女性の第一礼装。大振袖・中振袖・小振袖がある。袖が長いほど格が高い。
黒紋付第一礼装喪服として不祝儀の場で用いられる着物。黒一色に統一され、五つ紋が入っている。
色留袖略式礼装黒以外の留袖。紋の数に応じて礼装の格が変わる。既婚・未婚問わず着用可。
訪問着略式礼装留袖・振袖の次に格が高い着物。肩から裾にかけて一枚絵のような柄が描かれている。
付け下げ略式礼装訪問着の次に格が高い着物。左肩や裾などにワンポイント柄が入る。デザインは訪問着より控えめ。
色無地略式礼装
外出着
一色で染められたシンプルな着物。地紋の有無や小物次第でフォーマルからカジュアルまで対応可能。
小紋外出着生地全体に同じパターンの柄が入っているおしゃれ着。細かい柄ほど格が上とされる。
外出着
普段着
先染めの糸で織られた素朴な風合いの着物。カジュアルシーン向き。
御召外出着
普段着
生地表面にシボ(細かな凹凸)があるさらりとした着物。柄や紋の有無で格が変化する。
浴衣普段着夏用のカジュアルな着物。着付けが簡単で帯や小物、履き物は他の着物と異なる。

それぞれに個性があり、シーンや用途に応じて選ぶことができます。

自分にぴったりの一着を見つけて、着物のある暮らしを楽しんでくださいね。